2008年03月05日
アンサング・ヒーロー
先日、ある意味衝撃を受けた話を聞きました。
ベストセラー「生物と無生物のあいだ」の著者でもある生物学者 福岡 伸一さんの言葉、というかお話です。
「縁の下の力持ち」という言葉がありますが、これ「日米口語辞典」で何と訳されているかご存じですか
「アンサング・ヒーロー」と英訳されているんです。
つまり、 「歌われることのない英雄」
まさに名訳だと福岡さんは言っています。
たとえば、DNAの構造に関するデータをワトソンとクリックに盗まれてしまった、ロザリンド・フランクリンのような科学者に魅かれると。前者はノーベル賞をとり、後者は無名にまま37歳で亡くなっているんです。
そして、年齢を重ねてますます思うのは、人間の営みとはプロセスにあるのであって、ゴールにあるわけじゃないと。科学の場合、1位だけに意味があるとされます。最初に発見した人がノーベル賞も特許も独占する。同じ発見をしても3か月後じゃ価値がないと。
福岡さんは続けます。
本当にそうなのか
あまりにも効率主義に毒されすぎていると。ある時間あたりにどれだけ結果をだしたかってことなのですが、その時間を1ヶ月や1年に設定して、短時間に結果を出そうとあくせくしている。でも10年、20年、自分が死んだあとの100年、あるいは1億年ぐらいの単位で考えると、個々の効率なんて全く意味がなくなってくる。長い目で考えたとき、意味あるものとして残るのはプロセスだけではないのでしょうか
こころのどこかで、結果がすべてと思い込んでいた僕には、本当に衝撃的な話であり、考えでした。
これって企業にも通じるところがあるのでは? とふと思いました。
長年続いている企業は目先の数字や利益でなく、プロセス=理念やお客様を大事にしてきたからこその存続であり繁栄なのでしょうね。